最近、賃貸物件でウォーターサーバーを置きたいとの問い合わせが増えてきました。
クレーム対応で、室内に入室させてもらう際に、リビングなどにウォーターサーバーが置いてお部屋を見かけることも多くなってきました。
2LDKや3LDK等のファミリー世帯向け物件だけでなく、1LDKや1Kなどの一人暮らしのお部屋でもウォーターサーバーを使用している方がいる事には驚きを隠せません。
一昔前までは、水道水を飲むことが自然なことであり、お水を買うなんて感覚はありませんでした。
それが、ミネラルウォーターの登場で、安全でおいしい水を購入する文化が生まれ、その流れで、ウォーターサーバーを室内に設置する入居者が増えてきました。
特に、ウォーターサーバーを使用している世帯を見ると、生まれたばかりの赤ちゃんがいる家族や、小さなお子さんのいる家庭が多い。あとは、結婚したばかりの新婚夫婦の家庭にも多いように感じています。
そんなウォーターサーバーに関して問い合わせが増えてきており、管理会社としても対応に苦慮しているのが現実問題としてあります。
ウォーターサーバーの設置には特に問題は発生しないのですが、補充用の水の取り扱いに関して、問い合わせてくるケースが増えてきています。
賃貸では、どのような問い合わせが多くなっているかご紹介します。
ウォーターサーバーを設置前に、お住いの賃貸ではどのようなサーバーが置けるか確認することが大切です。
契約してからでは手遅れなので、決断する前に読んでいただければと思います。
ウォーターサーバー設置の注意点
ウォーターサーバーを賃貸物件で目にするようになったのは5~6年ぐらい前からで、ここ数年は、頻繁に目にするようになりました。
賃貸物件では、ウォーターサーバーを設置すること自体は何も問題になりません。
機械を設置することに関して、特別禁止している物件の方が少ないのではないでしょうか。
私の勤務する管理会社でも、ウォーターサーバーの代理店を行っているので、賃貸物件を契約する際にウォーターサーバーを勧めています。
こんな事を書くのもなんですが、営業マンを見ていると積極的には勧めていません。
興味があったらどうぞ、ぐらいの軽い感覚です。
ウォーターサーバーの契約を貰っても、会社にはバックマージンが入りますが、営業マンには、数百円しか手当が付かないので・・・。
話はそれましたが、設置自体には問題はありません。問題になるのは、交換用の水の一時的な置き場所になります。
取替用の水に関して
ウォーターサーバーを使用する場合、宅配業者が運んできた交換用の水の入った容器を機械にセットして使用する方法が一般的で、容器に水がなくなったら、新たな水を業者から取り寄せて使用することになります。
その水の受け取り方法に関する問い合わせが多くなっているのです。
廊下等共用部に置かれた水
宅配業者は、入居者が不在の時でも水を運びます。
従い、不在の際は、水を玄関先の廊下などに置くことになり、帰宅した入居者は、廊下に置いてある水を室内まで運ぶことになります。
この廊下に置かれた水が問題となるのです。
取替用の水の入った容器は、ダンボールなどに入った状態で届けられるため、かなりの大きさになります。
それだけでなく、2個~3個程度頼むのが一般的なので、廊下に置いてしまうと、他の入居者の通行の妨げになってしまうのです。
その為、他の入居者から、「邪魔だから止めさせてほしい」と連絡が来るのです。
基本的に、廊下や階段などの共用部分に私物を置く事は禁止されています。
一時的に置く事も禁止されています。
賃貸借契約書をよく読むと、共用部に私物を置く事を禁止している条文が明記されています。
明記されていない場合でも、共用部に私物を置く事はダメです。
賃料を払って入居者が専有して使用できるのは、室内だけなのです。
この様に書くと、廊下に傘立てなどの私物を置いている人がいるじゃないかと反論が来そうですが、本来は、傘などの私物も置いてはいけないことになっています。
しかし、あまりルールで縛ってしまうと、入居者のフラストレーションも溜まってしまうので、管理会社としては目をつぶっているのが現状です。
傘立てなどの私物であっても、他の入居者から「通行の妨げになる」との連絡があれば、室内に移動するように指導します。
廊下に置きたいと問い合わせがあったら
入居者あるいは、宅配業者から、廊下に取替用の水を置きたいと連絡が来る時があります。
先ほどご説明したように、廊下等の共用部に私物を置く事は禁止されているので、「ダメです」と回答しております。
それに対して、「取替用の水を置く事が出来ないではないか」と言ってくる入居者がいますが、ダメなものは駄目なのです。
共用部に私物を置く事が禁じられている以上、管理会社が許可を出すことはありません。
勝手に置いてトラブルになったら、入居者で責任を取ることになります。
それが嫌なら、家にいる時間に宅配してくれるウォーターサーバーを選べばよいことになります。
オートロック物件の場合
オートロック物件の場合、時間指定ができない宅配業者の場合は、オートロックの外であるエントランスに水の入ったタンクを置くしか方法がありません。
しかし、エントランスは共用部に該当する為、私物を置く事は禁止されています。
そのような理由でエントランスに水を置く事はできないのです。
問い合わせがあった場合には、上記のような理由で、置く事はできないと説明しますが、管理会社に問い合わせをせずに、宅配業者に勝手に許可を出してしまう入居者もいます。
トラブルになったときに、責任が発生するのは入居者になるので、エントランスに置く事は考えないようにしましょう。
オートロックの暗証番号を教えろ
オートロックは、入居者の持っている鍵とは別に、暗証番号で開けることができます。
物件周辺にある、水道事業者や、ガス会社、電気会社とは秘密保持契約を結んでいる為、暗証番号を教えていますが、それ以外の事業者には暗証番号を教えることはしていません。
管理会社に、玄関前まで水の入った容器を宅配業者に届けてもらうために、業者に暗証番号を教えてほしいと言ってくる方がいますが、暗証番号を教えることは一切していません。
防犯上の関係から例外なく、一切、教えていません。
それでも、しつこく教えろと言ってくる入居者がいますが、教えることはできません。
また、玄関先に置く事もダメなので、時間指定で届けてくれるサーバー会社を選ぶことが必要になります。
オートロック物件でのトラブル事例
共用部に勝手に水を置く事を許可した場合のトラブル事例をご紹介します。
水が無くなっている。
宅配業者がエントランスに置いて行った水が無くなっている事例です。
入居者の方や宅配業者から「水が無くなっている!」と管理会社に連絡があります。
水が無くなっていても、管理会社ではどうすることもできません。
エントランスに防犯カメラが付いている物件だと、犯人を捜すために、防犯カメラをチェックしてほしいと言ってくる方もいますが、本来、エントランスには私物を置いてはいけません。
置いてはいけない場所に、勝手に物を置いて盗まれたと騒がれても、管理会社としては困ってしまうのです。
そのような理由で防犯カメラをチェックすることも出来ないのです。
チェックするのは、被害届を警察に提出した後に、警察が防犯カメラをチェックします。
管理会社は犯人捜しを仕事にしていません。犯人捜しを仕事にしているのは警察になるのです。
ルール無視をして起きたトラブルには、管理会社は対応をしてくれません。
宅配ボックスを1カ所を貸してほしい
オートロックがある物件では、エントランスに宅配ボックスが設置してある場合があります。
ボックスの数は物件により変わりますが、6個~10個ボックスがあるタイプが一般的でしょう。
その1カ所を専用で使わせてほしいと問い合わせてくる方がいます。
宅配ボックスは共用の設備であり、特定の個人だけが専用で使用するものではありません。
そのような理由から、1カ所を貸し出すことはできないのです。
また、最近のネットショッピングの人気により、宅配ボックスは常に埋まっている状態です。
過密な利用状況を考えても、1カ所を専用で使用することは出来ないのです。
水の入った容器が破損している
エントランスに置いていた水の入った容器が破損している。
イタズラによる故意なのか、不注意で誰かが傷つけてしまったのか、原因は分かりませんが、容器が破損して傷ついていたり、中の水が漏れて、エントランスが水浸しになっているケースがあります。
そんな時も入居者や宅配業者から管理会社に連絡が入ります。
しかし、エントランスに私物を置く事は禁止されているので、管理会社に連絡してきても、置いてはいけないものを置いている方が悪いと回答されてしまいます。
賃貸に適したウォーターサーバーとは
賃貸に適したウォーターサーバーとは、時間を指定して宅配してくれる会社になります。在宅時に届けてくれて、玄関で確実に受け取れるウォーターサーバー会社が一番賃貸に適していると言えます。
賃貸の場合、部屋の大きさから考えて、ウォーターサーバーのサイズにばかり目が行きがちですが、交換用の水の置き場が問題になります。
時間指定で宅配してくれる業者を選ぶようにしましょう。