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賃貸アパートの管理会社に勤務する賃貸管理人です。

最初に結論を申し上げると、入居前に希望の光回線を引けるか、100%確実に確認する方法はありません

しかし、100%は無理でも、確率を上げる方法はあります。

賃貸アパートに入居したけど、希望しているインターネット回線が引けない!

新生活がスタートしたのに、肝心なインターネットが使えなければ台無しです。入居前に分かっていたら、別の物件を契約していたのに!

実際に、入居してから希望の回線が引けないとの問い合わせが管理会社には多く寄せられます。

そんな、入居後の光回線トラブルを防ぐ為に、入居前に使用したい光インターネット回線が引けるか確認する方法を紹介します。

冒頭にも書いたように100%の方法はありませんが、100%に近づける方法はあります。

どうせなら、世界最速の光回線にしませんか?詳しくはこちら

室内の光回線用コンセント

部屋を案内された時に、室内に光回線用コンセントが設置されている時があります。

ファミリータイプの物件だとこの様なコンセント↓
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1Kや1LDKだと、この様なコンセント↓
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エアコンの穴からケーブルを引き込んだらこんなタイプ↓
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ご紹介したコンセントは、あくまで一例です。

このようなコンセントが室内に設置してあっても、希望の光回線が引けるか分かりません

光回線用のコンセントが引かれているのは、あくまで前の入居者の光業者が取り付けた物であって、次の回線業者で使用できるとは限らないのです。

次の入居者が、前入居者と同じ回線業者で引き込んだ時のことを想定して、残してあるだけです。

コンセントを設置した光回線業者は、光用コンセントを「外さないでくれ」と依頼してきます。

まや、光用のコンセントはついていますが、ケーブルが来ていない場合もあります。

これも先の理由と同じで、光業者から「外さないでくれ」と依頼が来ているからです。

このように、光用のコンセントが付いているからと言って、光回線が引けるかどうかは分からないので、コンセントだけ見て判断することはやめましょう

管理会社への事前確認は無駄

賃貸アパートを契約する前に、入居を希望するアパートに既に回線が引き込まれているか、また、新たに引き込まなければならないのかを確認することが重要となってきます。

そこで、管理会社に問い合わせを行うことが一般的ですが、残念ながら管理会社に問い合わせても、希望の回線が引けるか分からないのです。

それは、光回線が基本的には管理対象外だからです

光回線は管理対象外

建物管理会社では、光インターネットなどの回線は、管理対象外なのです。

管理会社の立場として言うならば、インターネットの回線は回線事業者の所有物であって、管理も回線業者が行うものなのです。

建物の壁の内部や、配管を通して宅内に回線を通すことになるので、設備と同じ扱いになると思われがちですが、実際は管理対象外となります。

管理会社からの回答例

管理会社に問い合わせると、NTTのマンションタイプが引き込まれている物件なら、「マンションタイプ導入済みです」と回答され、マンションタイプが導入されていない物件の場合は「事前調査を回線業者に依頼してください」と回答されます。

これは、NTTの光回線を使用した場合の回答であって、NTT以外の回線の場合は、どこの回線を引きたいのか言わなければなりません。

但し、NTTのマンションタイプ以外の回答は、「事前調査を行ってください」になります。

物件に無料のインターンネット回線が室内まで引かれている場合は、無料回線を使用するよう回答されますが、回線速度などの問題で、別の回線を引きたい場合は、「事前調査を回線業者に依頼してください」となります。

因みに、マンションタイプであっても安心できません。

マンションタイプが導入されていても、引き込めない場合があります。

⇒マンションタイプでも引き込めない理由は

回線業者が多すぎる

管理会社で対応できない理由の一つは、回線業者の多さにあります。

以前は、光インターネットと言えばNTTのフレッツぐらいしかなかったので、トラブルも少なく、管理会社としても把握がしやすい状況でした。

また、特別な事情が無い限り、光回線が引けないなどのトラブルもありませんでした。

しかし、最近では、携帯会社が光事業を始めたり、プロバイダーが光回線事業に乗り出したり、本当に回線業者が多くなりました。

回線業者によって、宅内への引き込み方法や事前調査の方法、工事方法などバラバラになっただけでなく、建物の形状や構造によっても、引き込み方法が回線業者によって違うため、それらを全て管理会社で把握することは不可能なのです。

入居者から、「光ファイバーケーブルを建物に引き込むだけなので、簡単ではないのか」

この様にご指摘いただく場合もあります。

私自身も、簡単な事ではないかと思いますが、実際は違うのです。

光回線業者によって、引き込み方が本当にバラバラなのです

A社では問題なく引けても、B社では引けない。

こんなことが複数の物件で発生しているのです。

従い、「A社の回線は引けますか?」と問い合わせが来ても、「分かりません」としか答えることが出来ないのです。

管理対象外なので、本来は管理会社に問い合わせる内容ではなく、回線業者に問い合わせる内容なのでが、回線業者でも分かりませんと言われるので、そこが悩みどころなのです。

引込み前は事前調査が必要

希望の回線が賃貸物件に引き込めるか確認する為には、事前調査を実施する方法が一番確実です。

回線業者が現地を確認し、室内まで光回線を引き込む方法を確認する調査になります。

この事前調査は、入居者が光回線業者に依頼しなければならず、実際に光回線の申し込みを行わないと実施してくれません。

事前調査の内容

事前調査とは、建物に光回線を引き込む方法を探す為、回線業者が行う調査の事を言います。

調査項目は主に次のような内容になります。

  • 近くの電柱に光ファイバーケーブルが来ているか
  • どの電柱から建物に光ファイバーケーブルを引き込むか
  • ケーブルを引き留める金具を建物のどこに設置するか
  • 建物に引き込まれたケーブルはどこから室内に入るか

これらが、調査結果として書面で管理会社に届きます。

これに対して管理会社は大家さんの意向を基に回答を行います。

回線業者への回答としては次のような内容になります。

  • 光回線の引き込みの可否
  • 引き留め金具取付の可否
  • 引き込み工事時の車の移動の可否
  • 退去時の回線及び引き留め金具の残置の可否

私の場合は。ほとんどの場合、次のように回線業者に回答しています。

  • 引き留め金具取付OK
  • 駐車場内の車の移動を伴う工事は不可
  • 退去時は回線をすべて撤去、引き留め金具は残置OK

駐車場内の車の移動を伴う工事負荷に関しては、ほとんど問題になりません。回線を引き込むために特定の方に車の移動をお願いした場合、空いている駐車場がない場合が多く、路上駐車せざるおえない場合もある為、移動を伴う工事は不可と回答しています。ですがトラブルになったことはありません。

引き留め金具がトラブルの原因

事前調査では、どこの電柱からどのようにして建物まで光ケーブルを通すかが分かり、引込みの為に、引込み金物の取付位置や、取付個数まで分かります

引き留め金具は、回線業者が無償で取り付けてくれるのか、入居者又は大家さんの費用負担で取り付けるのか、その場合、業者は入居者、又は大家さんで手配するのかなども分かります。

事前調査は、あくまで引き込む方法が分かるだけで、調査結果に基づいて最終的に取付の可否を判断するのは建物の所有者である大家さんになります

大概の場合、建物に取り付け金具を回線業者側が費用負担して取り付けるのであれば、大家さんの了承してくれます。

但し、取り付け金具を外壁に取り付けることは、少なからず外壁を傷つけることになる為、それを嫌う大家さんの場合は、取付不可になってしまいます

また、引込み金具を入居者又は、大家さんの費用負担で取り付けてほしいと回答が来た場合は、施工できる業者を探す必要があり、その費用も負担しなければなりません。

実際のところ、施工を請け負ってくれる業者は少なく、金額も5万~10万円と高額なので、取付不可と大家さんは判断します。

但し、入居者側で取り付け費用を負担する場合は、大家さんも了承してくれる場合があります。

引き留め金具を業者が取り付けてくれない物件は、圧倒的に外壁がタイルでできている物件です。

タイルの物件の場合は、光回線のトラブルが多くなります。

引き込みが出来ない物件

事前調査の結果、建物の構造上、どのような方法を使っても引き込みが出来ない場合があります。

その時は、素直に諦めて、別の光回線業者を検討するようにしましょう

キャッシュバックを使っていたり、2年縛りなどを利用しているため、解約すると違約金を払わなければならない場合もありますが、引けない場合は、どうしようもありません。

事前調査を断られたら

最近多いトラブルの一つがこれです。
入居者が回線業者に事前調査を依頼したら断られる事例です。

回線業者に連絡をしたら、事前調査は実施しない、引込みの際に引込み金具を取り付けなければならないかもしれないので、管理会社に了承を取ってくれ。と言ってくる場合です。

入居者の方からの問い合わせで、回線業者から上記のような事を言われたので、事前調査をしていないが取付の了承を大家に確認してほしいと管理会社に問い合わせがあるわけです。

取り付ける場所も分からなければ、どのような金具が取りつくかもわからない。まして、退去後にそのケーブルを撤去するのかもわからない。
そんな状態で大家さんに話などできません

大家さんに話をしても「断って」で終わってしまいます。

なので、事前調査をするよう入居者から再度依頼してほしいと回答すると、「回線業者はしないと言っている」と入居者は怒り出し、「何とかしろ!」と言われるケースが多いのです。

本来は管理対象外なので、管理会社から直接回線業者に連絡することはしないが、直接回線業者と話しても良いと伝えると、今度は回線業者が「入居者としか話はしない」と言うしまつ。もうどうにもなりません。

最終的には回線業者が「管理会社がOKを出さないから引けない」と言ってくるから大変です。

そこで冷静になって考えてください。

あなたが友人に車を貸しているとして、その友人から電話連絡があり、車の中でテレビを見るから車にアンテナを付けたい。車の所有者のOKがでれば業者はアンテナを取り付けるよと言われたらどうしますか。

あなたなら必ず「ダメ」と言うでしょう。

百歩譲って「せめてどんアンテナを付けるか教えて」と言ったら、「やってみなければわからない」と言われたらOKなんて言わないと思います。

それと同じことを大家さんや管理会社に言っているのです。

アパートの所有者は大家さんです。ボロイ物件でも大家さんにとっては大切な物件です。

建物を傷つけるかもしれない工事なのに、何も分からない状態でOKを出す大家さんなどいません

しかし、このようなケースで最終的に怒りを管理会社にぶつけてくる人が多いので、事前調査を断られたら、他の回線業者を探すようにしましょう。

くどいようですが、光回線は「管理対象外」です。

管理会社と打合せしない業者

入居者から光回線業者に事前調査を依頼してもらっても、回線業者が事前調査に応じなかったり、対応が悪い場合があります

そんな時は、通常であれば、入居者から再度光回線業者に事前調査などを依頼してもらうのですが、入居者ではらちが明かない場合、管理会社が直接、回線業者と話をする場合があります。

しかし、最近参入した業者や、携帯電話業者の一部に会社で、管理会社と直接話すことを避ける業者があります

私の経験では、入居者が光回線業者と、管理会社の板挟みになり、気の毒になったので、直接、光回線業者と話をすると伝えたのですが、光回線業者が管理会社と直接話すことを拒否しており、入居者を通じてでないと工事の話をしないと言ってきたのです。

最終的には、入居者の方も疲れ果ててしまい見るに堪えない状態になったので、入居者の部屋を訪れ、光回線業者に電話してもらい、その電話を途中で変わってもらい、話をした次第です。

その時も、「管理会社と直接話はできない」と言ってきましたが、「直接話す事と、間接的に話すことで何が違うんだ!」と伝え、「入居者から聞いたことにすればいいだろ!」と言うことでやっと回線業者の窓口を説き伏せた次第です。

大家さんが引き込みを了承しない

事前調査で特に問題なく引き込み出来るのに、引き込み不可と判断する大家さんもいます。

その時は、光回線を引き込むことが出来なくなります。

それでは困ると言ってくる方もおり、その気持ちも非常に良く分かるのですが、建物の所有者は大家さんになるので、大家さんの意向を無視して引き込むことはできません

大家さんを無視して、勝手に引き込む方も稀にいますが、トラブルになります

トラブルになると、勝手に引き込んだ入居者側が圧倒的に不利になるので、絶対にやめましょう。

また、大家さんを説き伏せられなかった管理会社にクレームを言う方もいますが、私の経験では、管理会社の担当者は。入居者の意向に沿うような形で、かなり頑張って大家さんと交渉をしています

それも一度ではなく、二度、三度と大家さんと交渉しますが、ダメな大家さんはいるのです。

その時に入居者から「役立たず!」とか言われると、非常にこたえます。

希望していた回線が引けずに苛立つ気持ちも分かりますが、感情的にならないようにお願いいたします。

良い大家さんもいれば、そうじゃない大家さんもいることをご理解ください。

外壁がタイルの物件は要注意

一番多いトラブルとして、外壁がタイルの物件が挙げられます。

光回線であったり、ケーブルテレビ回線であったり、多種にわたるインターネット回線は、建物付近の電柱まで来ている場合が多く、電柱から建物まで引き込むことでお部屋まで回線を引き込むことができます。

何故、タイルの物件でトラブルが多いのか。

それは、電柱から建物に引き込む際に、建物側に「引込み金物」を取り付けなければならない事が上げられます。

引込み金物とは、主な用途として、電柱に来ている配線を建物に固定するための固定具になり、種類も色々とあります。

タイル以外の物件では、引き込み金具を光回線業者が無料で取り付けてくれる場合が一般的ですが、外壁がタイルの物件だけは、回線業者が取り付けてくれないのです

取り付けてくれない理由は簡単で、引込み金物を取り付けた時に、タイルが割れてしまう可能性があるからです。

従い、回線業者は「引込み金物を取り付けてくれたら引き込めます」と言ってきます。

そこで問題になるのが、誰が引込み金物を取り付けるかになります。

入居者は当然「大家さん」が取り付けるものだと言います。

一方の大家さんは入居者が取り付けるものだと判断します。

入居者側の立場に立つと、金物は建物に付随する設備となるので、大家さんが取り付けるべきだと考えます。

大家さん側の見解としては、インターネットを引き込みたいのは入居者であって大家さんは関係ない。また、契約時に「どのインターネット回線も引込み可能」としてないので入居者で引き込むものだと主張するわけです。

建物に管理会社が入っていた場合、入居者は、管理会社に事情を説明し、引込み金物を大家さんで取り付けてもらうよう依頼してくるわけですが、光インターネットの回線は管理対象外になっている場合が多く、大家さんに取付をお願いするが、断られたら後は、管理会社では対応できないとなるわけです。

この様な事情があり、外壁がタイルの物件では、光インターネット回線を引き込む際に、希望の回線が通すことができずトラブルとなってしまう場合もあるのです。

特に2階建て程度の低層の賃貸アパートで、外壁がタイルだと、新たにインターネット回線を引き込む場合は「引込み金物」を使用しなければならないケースが多く、トラブルになる場合が増えています。

2階建て以上の高層のアパートの場合は、外壁がタイルであってもトラブルになるケースは少ないです。

高層の外壁タイルの賃貸アパートでも油断禁物

先ほどの外壁タイルの問題ですが、高層の賃貸アパートの場合だと事情が若干違います。

良く、光インターネットを引き込むときに「マンションタイプ」、「ファミリータイプ」と聞かれることがあります。

高層のマンションの場合は、既にマンションタイプが導入されている場合が多い為、比較的スムーズに回線を室内まで通すことができます。

しかし、マンションタイプの物件でも引き込むことができない場合があります。

⇒ マンションタイプで引込みが出来ない場合

この「マンションタイプ」や「ファミリータイプ」と呼ばれる回線はNTTの光インターネットになるため、他社の回線を引きたい場合は、注意が必要となります。

NTT回線の注意事項

NTTの光インターネット回線を使用したい場合、「マンションタイプ」と「ファミリータイプ」のどちらかで室内まで引き込むことになります。

最近では、光インターネットの回線業者が数多く存在し、選択肢の幅も広がりました。

一昔前は、光インターネットと言えばNTTぐらいしか選択肢がありませんでした。
その名残で、光回線を使用したい場合に良く聞く言葉で「マンションタイプ」、「ファミリータイプ」がありました。

家電量販店などで、光インターネットの申し込みをする場合、賃貸であればファミリータイプかマンションタイプか聞かれた覚えがあると思います。この違いによっても賃貸アパートに引き込めるか変わってきます。

ファミリータイプとマンションタイプの違い

建物に引き込む方法がタイプによって変わってきます。

マンションタイプの仕組みに関して簡単にご説明すると、アパートには既に近くの電柱から光配線や電話線が既に引き込まれているMDFと呼ばれるボックスが設置されています。

室内への引き込みは、MDFボックスから各居室につながっている通信配線用のパイプ等を通して引き込むことになります。

MDFからの配線工事になるので、事前に調査なども必要なく、スムーズに室内まで引き込むことができます。

一方のファミリータイプは、近くの電柱までは光ケーブルは来ていますが、建物までは配線が来ていません

従い、電柱から建物までケーブルを通し、そのまま室内までケーブルを回すことになります。

その為、電柱から各部屋に配線が引かれることになり、全部で8戸の物件の住民が全てファミリータイプを使用した場合は、電柱から8本のインターネット配線が引かれることになります。

ファミリータイプの落とし穴

ファミリータイプの物件では、近くの電柱からインターネットケーブルを引き込むことになりますが、ケーブルを外壁に固定するための「引き込み金物」が必要になります。

外壁がタイルの物件ですと、引込み金物はNTTでは取り付けてくれず、入居者か、家主の費用負担で引き留め金具を取り付けることになります。

外壁がタイルでない物件の場合は、ほとんどの場合、引き留め金具はNTT側の負担で設置してくれます。

ファミリータイプの場合は、事前調査が必要になりますので、必ず、NTTに事前調査を依頼するようにしましょう。

マンションタイプの落とし穴

しかし、マンションタイプでも安心することはできません。

稀に引き込むことができない場合があるのです。

マンションタイプでは、MDFから各居室に引き込む回線数が決まっているのです。

例えば居室が16室の賃貸アパートがあった場合、MDFから回せる回線数が14回線だったら、2室分足らないことになります。

その2室は、マンションタイプが使用できず、ファミリータイプを引き込まなければならないのです。

このように、回線数が足りない場合があることで、トラブルになるケースがあるのです

では、回線が不足しているか事前に確認する方法ですが、建物の管理会社に聞いても「分かりません」と回答されます。

なぜなら、光インターネットの設備は「管理対象外」だからです。

MDF内にNTTの光インターネット用の設備があることは把握していますが、その回線の空き状況は管理会社では分からないのです。

回線の空き状況を把握しているのはMDF何にある光回線設備を管理しているNTTになります。

NTTに問い合わせると教えてくれる場合もありますが、対応している件数が多い為、そこまで把握できておらず、「分かりません」と回答される場合もあります。

NTT以外の他社の回線に関して

最近はNTT以外の光インターネット回線業者も増えてきて、それらの回線業者のトラブルも増えています。

アパートの管理会社では、NTTの回線だけでも対応できないのに、他社の回線の事を聞かれても、何も回答が出来ないのです。

NTTは、光インターネット事業に参入してから何年も経験している為、それなりの実績もあり、手続きなども早く終わりますが、NTT以外の回線業者は、参入して日が浅い為、本当に対応が遅いです

特に違いが大きいのは、対応窓口の質と、実際に配線を引き込むための工事業者の質が違うように感じます。

NTTの業者は、工事に長年携わっている実績がある為、比較的スムーズに事が進みますが、他の回線業者だと、受付窓口が臨機応変に対応できず、工事を請けている業者も不慣れな為、中々先に進まない状況です

その中でも比較的スムーズに引き込めるか分かる会社と、分からない会社がありますので、その違いをご説明します。

NTTの回線を利用している業者

NTT以外の光インターネット回線業者であっても、独自に光回線を所有しているわけではなく、NTTの回線を借りて運営している業者もあります。

この様なケースの場合は、NTTの回線を使用することになるので、比較的トラブルが少ない場合が多いです

電話対応などの窓口業務の対応はイマイチですが、建物に引き込む工事業者は慣れているため、事前調査などもスムーズに行われます。

但し、NTTの回線が利用できる場合でも建物に導入されている回線が「マンションタイプ」か「ファミリータイプ」で変わってきます。マンションタイプが引き込まれていても、回線業者によってはマンションタイプが使用できない場合もありますので、回線業者で確認して、事前調査が必要な場合は依頼しましょう。

業者によっては対応に2ヶ月~3ヶ月程度掛かる場合もありますので、事前調査をお願いして希望する回線が引き込めるか調査してもらいましょう。
 
⇒ 光回線の事前調査とは

独自の回線を引き込む回線業者

NTTの回線を利用せずに、独自の回線を引き込む業者も多数あります。

その場合は、事前調査がほぼ間違いなく必要になります

入居前に事前調査を実施するように回線業者に依頼しましょう。

昔から独自回線を使用している業者の場合は、スムーズに進みますが、最近参入してきた業者の場合は、トラブルになるケースがあります

参入したばかりの業者の中には、事前調査を断ってきたり管理会社と直接話をすることを拒んでくる業者もあります。

携帯電話との光コラボ

数年前から、携帯電話会社で光回線も契約する方が増えてきました。

携帯電話と光回線をまとめるとお値打になるからです。

最近の入居時の光回線トラブルで多発しているのが、このタイプの契約をしている方です。

最近は大手3社以外にも携帯回線業者が複数出てきており、どの会社も光回線とのコラボ契約が出来るようになってきました。

その中でも、特定の会社が、本当にトラブルが多いです

回線が引けない等のトラブルになった時に、携帯会社の社名を聞くと、必ず出てきます。その社名を聞くたびに「またか・・」と思います。

その社名が出てきたときは、正直に「短期間で引くことは難しい。最短でも3~4か月はかかると思う」と回答しています。

その社名は出しませんが、管理会社に社名を言うと「ああ・・・そこですか」となると思います。

その会社に限らず、携帯とコラボしている会社は、参入してから日が浅い為、窓口業務が慣れておらず、問い合わせの際に時間がかかります。

また、窓口から業者への依頼も不慣れなため、そこでもトラブルが起きます。

携帯と光を同じ会社で契約している人は、特に注意が必要です

但し、引き込みに時間が掛かったり、引き込むことができなくても、モバイルWIFIの端末を無料で貸し出してくれる場合が多いです

回線速度は遅くなりますが、ヘビーユーザーでなければ普通に使うことができます。

そういう問題でもないのですが。

退去した部屋の回線が撤去されない。

新規で入居する場合、どこかの部屋を退去してきたことになります。

新居に回線を引き込む場合、退去した部屋の光回線の撤去が条件になっている場合があります。

その場合、退去した部屋の回線撤去が完了しなければ、いつまでたっても新居には光回線を引き込むことはできません

最近は、光回線業者も多忙の為、退去日までに回線の撤去が間に合わない場合も多くなりました。

退去日から2か月後に回線が撤去になった場合も珍しくありません。

新居の管理会社としては、退去した部屋の回線撤去に関しては、まったく関係ないのですが、入居者の中には、新居に光回線を早く引きたいから、光業者、あるいは、退去した物件の管理会社に連絡して、回線撤去を急がせてほしいと言ってくる方がいます。

新居の管理会社は、退去した部屋に関しては一切の権限はありません

権限があるのは、退去した部屋の管理会社と、光回線業者になるのです。

それらの業者に依頼するのは、入居者の方になります。

冗談と思う方もいると思いますが、意外にこの依頼は多いのです。

入居者の方に、そのことを説明してご自身で対応するようにお願いするのですが、光回線に関しては、管理会社同士でやり取りしてくれると思っている方も多い為、このような事例が生じているのです

地域限定の回線業者

光回線業者では地域限定の業者があります。

例を挙げるならば、NURO光などです。

知らない方もいると思いますが、NURO光は、世界最速の光回線で、下りで2Gbpsもあり、その上、料金もお値打ちです。その為、人気のある回線ですが、関東圏しか使用できません。

この様に、一部の地域でしか使用できない回線は他にもあります

その事を知らずに、引っ越し先でも使用できるものと考えて、あまり調べずに引っ越してしまう方もいます。

私の経験でも、聞いたことも無い回線業者の名前を出されて、その回線が引けなくて困っていると言われ、調べてみたら、特定の地域だけでしか引けない回線だったことがあります。

特に、電力会社系の光回線を引いている方は、注意が必要です。

引越し前に、少し調べるだけで防ぐことが出来るので、必ず、引っ越し先がエリアになっているか確認しましょう

都会と田舎の大家さんの違い。

私の経験からのお話になりますが、都会と田舎では、光インターネットに対する大家さんの認識が違います

都会では、比較的大家さんの光回線への理解度は高いです。

都会と言えども、最近では入居率が減少傾向にあります。

物件に対する付加価値を高めるため、光回線の引き込みに対して積極的で、ライフラインの一部として必需品であるとの認識が高い傾向にあります。

田舎から都会への転居の場合は、光回線のトラブルも少ないと思います

一方の田舎では、昔からの地主の大家さんが多く、高齢化が進んでいます。

高齢の為、インターネット自体を使用している方も少なく、光回線に対する認識が乏しいのも事実です。

その様な状況から、光回線の引き込みの話をしても、必要性を理解いただけない場合もあります。また、事前調査で外壁に引き留め金具を取り付けなければならない場合など、建物を傷つけることを嫌がる傾向もあります。

その辺りの大家さんの状況も踏まえて、転居先を決めることも大切になります。

あとがき

最初にお話ししたように、引越し先でどんな光回線が引けるか確実に調べる方法はありません。

光ケーブル自体は、どこも同じようなものだと思うのですが、引き込み方に対する考え方や対応は、業者によってまちまちです。

管理会社では光回線は対象外と何度か言いましたが、対象外だからと言って何もしないわけではありません。

入居者の方の意向に沿うような形で、光回線業者と話をしたリ、大家さんに引き込みの了承を得るために、奮闘しています。

それでも希望の回線が引けない時はあるのです。

努力しても引けない時は、残念ながら諦めるしかありません。

光回線を引くときに、携帯と一緒に契約したり、2年縛りの倹約を結んでいる方もいます。

割引やキャッシュバックを考えると、それらの方法も一つの手ですが、入退去の際にトラブルになりやすいのも、これらの契約をしている場合が多いのです。

損して得取れではありませんが、光回線を契約する時は、先々の事を考えて、決断されることをおすすめします。

来年になったら、ものすごく安価で、速度の速い光回線が出てくるかもしれませんから。